私欲を公憤にすり替えるなと。

『税金で作った天気予報のXML情報はあくまでも有償。月額3万也。』と言うエントリーを読んで若干うんざりしていたのだけれども、「なんでも無償が当たり前」脳は勘弁してくれ - novtan別館と正しい指摘が来ているのにも関わらず暴言を吐いているのがひどいので突っ込む。
『「天気予報API」を無償で利用できるプログラムも準備する』と書いてあるのに、「無償じゃない!気象庁が無償でXML配信しろ!」とか言うのは筋違いだろうに…。


そもそも、気象庁が出してる生データと気象協会が出してるHTMLのデータには凄まじく大きな隔たりがある。
気象庁出だされる東京の天気予報が非常に大雑把な天気予報しか出していないのに対して、文京区の天気 - Yahoo!天気情報や提供元の文京区の天気 - 日本気象協会 tenki.jpを見るだけで非常に細かなデータが提供されているというのが一目でわかる。
つまり、それだけ価値のある情報だというのだ。
そして、現在Webで(携帯向けは特に)提供されている天気予報というのは、位置情報に非常に依存したデータが求められている。しかも、携帯電話のコンシェルジェサービスの広がりによって、個人の位置と状況に依存した予報というのがさらに求められてくるだろう。
だから、気象庁が無料でXML配信したところで、まともなWebサイトを運営する人間には価値の無いデータだと言うことがわかる。
普段何気なく見ているNHKの天気予報にしろ、実は日本気象協会の提供したデータだったりする。NHKの天気予報も簡単な内容しか紹介していないように思えるけれど、気象庁から提供されたデータだけでやっている訳ではなく、日本気象協会気象庁のデータを解析した結果が天気予報として放送されている。タダで出来るもんでもない。
今後、生活において民間気象会社のデータがさらに重要になってくるということはあっても、気象庁のデータだけでやっていくというのはしんどい部分があると思う。


そもそも、批判する対象も間違っていて気象協会を批判する前に、気象庁のデータ配信を担当している財団法人 気象業務支援センターを批判しないのはなんでなんだろうか?批判するにしろ、きちんと調べてない可能性が高い。
無料でRSS配信しろ!とか言うのなら、オンラインデータ 負担金を見て、ご自分でやってみてはいかがだろうか?
金払うのが嫌なら、気象衛星ひまわりのデータなら空からただで降ってくるから、自分で受像器買って受信すればいいのに(笑)
まぁ、気象業務支援センターを批判するにしろ、気象予報士の資格を持っている人が「個人事業者としてやるにはデータが高い!」とか言うのならともかく、「おまえらのデータで金稼ぎたいから、ただでよこせ!」ってのは無しでしょ。

だいたい、今時フルブラウザ携帯がほとんどなんだから、どうしても見たいのなら気象庁のPC向けページを見れば済む話。
上記のような現状を全部理解しないで(あるいは意図的に無視して)、自分の商売に無料で使いたいという私欲を公憤にすり替えるのは汚いと思う。

(追記)
さらに、批判されたところできちんとTrackbackを開示しない姿勢もどうかと思う。
やれやれとか思ったら、次もまたIPV4でトンデモエントリ書いてるし…