勝つために戦え!と言うか、何に勝つべきなのか?

さて、最近は『大学ってもっとすごいところだと思ってた。』などと、「大学で何を出来るのか?」とか「大学で何をすべきなのか?」と言うエントリーが流行っているらしい。

とは言え、そもそもの話として何のために知識を得て何を為すべきなのかという、大学での勝利条件に関する話や何に勝つべきなのか?と言う話が抜け落ちている気がする。フォローのエントリーになればなる程語られてはいると思うけれど、観測範囲内に勝利条件に関するエントリーが無いようなので語ってみようと思う。ちょうど、勝利条件ギリギリで喘いでいる後輩も居るようだし。
また、卒論提出まで後3日(そしてまだ原稿に手をつけていない)とか言う人も居るようなので、そんな人への応援としてこのエントリーを送りたい。と言うか、このエントリー読んでる暇あったら卒論書けよ!とか思ったりもするけど(笑)
ちなみに、負けた後の話はこっち→『負けても、戦え!這いつくばっても戦え!』


そもそも、どんな環境においても最低勝利条件を達成できなくては失敗です。失敗も一度や二度までは許されるかもしれませんが、何度も繰り返しているようではお先真っ暗になるでしょう。
そして、大学という環境での最低勝利条件は言うまでもなく卒業です。
こういうことを書くと、「大学なんて卒業しなくてもポジションを得られたぜ!」とか「大学なんて中退してこそ華だ!」とか言うid:dankogaiみたいなマッチョな人も出てくるとは思いますが、あくまでそれは別の環境での勝利条件を達成しただけに過ぎず、大学という勝利条件は完全に達成できていません。人生での成功と、大学での成功は別な話です。一緒にしてはいけません。
大学生活を短く区切れば、卒業しなくても2年進級とか3年進級・4年進級とショートスパンでの勝利条件は達成できるかもしれませんが、大学というクエストは終わりません

だからこそ、大学に入った以上は『これなら本を乱読したほうがマシなんじゃないだろうか』と『大学なんかつまらん』などと大学に意味を感じなかったとしても、とりあえず、卒業という最低勝利条件だけは達成すべきです。


元エントリーの場合、学問を求めて大学に入ったようですが、大学はそれだけの場所ではありません。人によって学問以外にも、サークルや体育会、趣味、ボランティア、起業、バイト、就職というための足がかりであり、大学は身分を保障してもらえる場所でもあるからです。
最近はネットの普及でそうで無くなりつつありますが、一般的には身分が安定しない人間だとなかなか信用してもらえません。バイトをするのに困ったり、キャッシングだって出来ないしと現代生活においてはなかなか困る場面が多いです。
それが、大学において最低勝利条件さえ達成し続けるだけで、世間から自分を承認してもらえ、さらに身分の安定を図れるのです。そんな美味しいポジションはありません。
「体制の破壊者に俺はなる!」とかいう革命家気質な方を除いて、最低勝利条件を達成しておくのが無難です。


では、成績などの理由によって卒業や進級といった勝利条件を達成できそうに無くなった場合、どうやって達成すればいいでしょうか?
成績が理由なら単位取得数が足りないか目標(や今後必要とされる)GPAに足りないという場合が殆どだと思いますし、後は自分の体調とか家庭的な理由が殆どであると思います。

成績が理由ならば、まず最初に考えるべきは最低勝利条件を確認し直すことです。
「それだけかよ?」と思われるかもしれませんが、まず自分の単位取得状況という現状を再確認した上で、卒業必要単位数という勝利条件との差を見積もって残り時間を計算することが出来ればたいていの場合は大丈夫です。大学に裏口入学したので無ければ(笑)、能力的な意味で達成できないということはなく、現状を把握しないで(もしくは把握しつつも、行動に反映できず)惰性で行動していたから、この様な状況に陥る場合が殆どだからです。
ここで再確認することが出来れば、差を埋めるために必要な措置もわかってくるでしょう。現状を確認した上で少しでも早く行動すれば、まだ単位取得に必要だけど出ていなかった授業のレポート期限にも間に合うかもしれません。さらに、授業担当者に泣きつけばなんとかなる場合もあります。「今更来るな!」と担当者に罵倒され恥をかきたくないかもしれませんが、そんなふざけた学生は毎年居るのでそれ程気にすることはありません。罵倒され、恥をかいて、そして反省しましょう。大学の単位取得なんて、ギリギリになってもなんとかなるもんです。*1

しかし、そんな時に限って「そんなことまでして卒業する必要があるのか?」とか「ここまでしたくない…」とか「どうせ数単位積み上げたところで、足りないし…」などと、美意識や怠け心が邪魔になってくるかと思います。
そこで考えるべきなのは、何に勝つべきなのか?ということです。
己に勝つ*2べきなのか、それとも勝負に勝つ*3べきなのか、それとも勝負を投げ出す*4のか。とりあえず、勝負を投げ出しては意味がないし、そういうことをやっていると投げ出す癖が付くので除外しましょう。
己に勝つべきなのか、それとも勝負に勝つべきなのか、人によって判断の分かれるところかもしれません。たいていの場合、ここで勝つべきなのは勝負に対してであり己ではありません。
なぜなら、『己に勝って停滞することよりも、負けて進んでしまった方が物事うまく進む場合が多い』からです。とりあえず、最低勝利条件さえ達成してしまえば、世間からの承認は得られますし、就職や大学院進学という大学の次の環境に移れるからです。同じ環境に停滞し続けるのには、あまり意味がありません。
とは言え、己に勝った方が満足度も完成度も高くなる場合があるというのもわかります。実際、自分の場合だと体育会活動で勝利条件を犠牲にしても己に勝ちにいった経験があります。その際そこで勝ちに行ったからこそ、自分と世の中に対しての勝ち方がわかったという気もしています。が、その分社会的な承認は得られなくなりますし、よっぽどのメリットが無い限りはリスクが大きすぎるので、よっぽどのことが無い限りやめておいた方が賢明でしょう。
そして、自分で考える「己に勝つ」ということの重要性は自分で思っているよりも重要視されません。自分のプライドや満足度なんて、他人からすればどうでもいいものです。
勝てば官軍です。
ちょっと言及対象も言い方は違うけれど、いい言葉があったので引用。

「大学の意味は、絶対的には存在せず、相対的にしかつけられないので、相対的な意味をつけて大学を利用すればいい」
大学で学ぶということの意味をわかってない人達 | 芸人社長のブログ

そう、相対的な意味を見つけて勝利すればいいんですよ。
大学で完全勝利を目指す必要はないし、大学は完全勝利するための場でありません。完全勝利を目指すのならば、もっと先の場で実践すべきです。


と言うことで、大学において何に勝つべきなのか?という話を書いてみました。
とりあえず、留年しそうな人、卒業できなさそうな人は頑張ってください。
頑張れば、たぶんいいことあります。


ついでに、『負けても、戦え!這いつくばっても戦え!』続きも書いた。
(追記)
大学生の身分素晴らしいよ!って、もっと直接的に言ってるエントリーがあった。

っていうか、僕は、大学っていうより、「大学生」っていう身分にめちゃ価値があると思う(中略)
価値1:働いても責任があんまりない。
価値2:休学しても、身分を失わない。(ちょっと特殊かな?)
価値3:自分の時間をめちゃ作れる。休みが長い。
価値4:就活ができる(学部3年生)
価値5:利害関係のない友達とか知人を自由に作れる。
大学はすごくないけど、大学生って身分はすごいと思う - きびたんの日記。だけど id:uzuki-first なのさ♪

うん、そうだよね。就活も卒業もがんばれ。

*1:理系のヤバい学科除く

*2:美意識を優先して最低勝利条件での勝利を放棄する

*3:とりあえず、酷い状況でも卒業する

*4:もう、諦めて何もせずに留年する